湧網線は、北海道紋別郡湧別町にあった中湧別駅と現在も網走市の中心駅である網走駅を結んでいた路線。1987年3月に全線が廃線。
廃線後、大曲仮乗降場~常呂駅の大半がサイクリングロードとして新たに整備されました。
今回は、レンタサイクリングで網走駅~卯原内駅の約13kmをサイクリングした時のお話。真面目に書くと文が長くなるので、ざっくりに書きます(>_<)
目次
湧網線を活用したサイクリングロード
サイクリングロードは網走駅から始まるのではなく、約3kmほど進んだところにある大曲公園に起終点があります。その為、網走駅~大曲公園の約3kmは国道239号線などで進むことになります。
網走駅から進んだところにある踏切で廃線跡を確認。現在は石北本線の線路1本だけですが、湧網線があった頃は草地(踏切の辺り)にもう1本線路があったと思われます。湧網線の線路跡がはっきり残っていないので、なんとも言えませんが。。。
網走駅近くの湧網線廃線跡は、踏切以外では見ることができないので先に進みます。
大曲仮乗降場~二見ヶ岡
網走駅から約2km。
石北本線の線路が大きくカーブをしているところに湧網線の大曲仮乗降場はありました。
大曲仮乗降場の跡地は畑、駐車場として使用されており、写真を撮った時も地元住民の方と思われる方がいたので、1~2枚写真を撮ったあとは次の場所へ。
網走駅から約3km。大曲公園を過ぎ、網走川に差し掛かったところに他の橋とは違う橋を発見。
これは、かつて湧網線で使用されていた橋で完成年度はなんと昭和9年(1934年)。湧網線の網走~卯原内駅間の開業が1935年なので、その1年前に作られたということになります。
その橋の反対側、50mほど進んだところに大曲駐車場と公衆トイレがあり、そこが湧網線の廃線跡を活用したサイクリングロードの起終点。
まだ走り始めたばかりなので休憩はせず、サイクリングロードでのサイクリング開始。
廃線跡を活用したサイクリングロードは綺麗に整備されており、網走川を越えてしばらくは勾配がほとんど無い為、どんどん進むことができます。途中、道路と交差する際は柵が設けられていましたが、それ以外は何の弊害もありませんでした。
また、サイクリングロードは国道239号線と並行しているので、何かあっても助けを呼ぶことは可能。
サイクリングロードをしばらく進むと網走湖が見えるようになります。所々で自転車を止め、網走湖を眺めました。
一番眺めが良かったのは、国道239号線を跨ぐ橋。木などの遮るものがなく、網走湖を一望できます。
それからも順調に進み、網走駅~卯原内駅の中間地点に到着。
網走湖が見えた後は、国道239号線と一旦お別れ。サイクリングロードは森の中を突き抜けるように続いています。
この辺りは地味な坂道が続いているので、体力をちょっとずつ奪われていきます。。。
二見ヶ岡駅
坂道を登りきると今度は下り坂・・・というところで急に視界が広くなり、違和感を感じる。
もしかしてこの辺りは昔、駅があったのでは?と思って調べたところ見事ビンゴ!
写真の赤枠の所に二見ヶ岡駅があったようです。
二見ヶ岡駅のところに板の橋があったので渡ってみました。
二見ヶ岡駅跡は自然に還っており、どこに何があったのかは一切分かりません。
二見ヶ岡駅前にはコンテナ一つが放置されていました。貨物で使っていたのか、それとも全く関係ないのか・・・
二見ヶ岡~二見中央仮乗降場~卯原内
二見ヶ岡駅を過ぎると下り坂。
下り坂を過ぎると平坦な道が卯原内まで続きます。
その平坦な道を進んでいる途中に二見中央仮乗降場がありました。
一度、二見中央仮乗降場を過ぎましたが、調べてみると二見中央仮乗降場があったのを知り、帰り際に寄りました。
二見中央仮乗降場の跡地も何もなく、田んぼとして整備されていました。
二見中央仮乗降場を過ぎると、再び木々の中へ。
この辺りは真っすぐな平坦道が続くので、とにかく全力で漕いでいました(笑)
平坦な道をひたすら進むと視界が開き、能取湖(のとろこ)を眺められます。
「道道常呂自転車道線」と書かれた柵。サイクリングロードですが、道道だったようです。
卯原内駅(卯原内交通公園)
上の柵の所から少し進むと卯原内駅が見えてきました。
卯原内駅は元々1面2線の駅だったので、駅手前で道が少し右に曲がっています。
卯原内駅(卯原内交通公園)に到着。途中、写真を撮りながら進んだということもあり、約13kmの道を1時間掛けて走り切りました。
湧網線の現役時は卯原内駅でしたが、廃線後は卯原内交通公園として整備されています。
ホーム
卯原内駅に着いたということで、ホームに降りて・・・ではなく、ホームに上がってみました。
ホームは草が生えている所も多少ありますが、綺麗に整備されています。また、サイクリングロードとホームを繋ぐ階段が設けられています。
卯原内(うばらない)駅の駅名標。
流石に現役当時の物ではありませんが、ここに卯原内駅があったということを証明しています。
客車(オハ47 508)
卯原内駅跡には、客車とSLが展示されています。
客車は釧(クシ)と書かれており、現役当時は釧路の車両だったみたいです。のちに分かりましたが、釧網本線で使用されていた車両のようです。
車両の中には入ることができないので、窓越しに中を見学。
半分ボックスシートで、もう半分はまさかの畳!
当時から畳があったのか、卯原内駅で展示されるようになってから畳が設置されたのかは分かりませんでした。
SL(9600形)
続いてはSL。客車(オハ47)に連結し、展示されています。
卯原内交通公園で展示されているSL(9600形)も現役当時は湧網線を走っていたのではなく、網走~旭川駅の石北本線を走っていたようです。
SL、客車の情報は網走市鉄道記念館の紹介ページに記載されているので、間違いないでしょう。
ホーム周辺
SLの先には踏切があり、廃線前からあったと思われる踏切が展示されています。また、線路が踏切を超えた辺りまで続いています。
踏切から常呂方面を見ると、サイクリングロードがまだまだ続いていることが分かります。
卯原内駅(卯原内交通公園)より先も続くサイクリングロード。
最終的にはサロマ湖まで続いており、卯原内交通公園からでも30kmの道のり。
駅名標の裏には名所案内があります。名所案内はもちろん、能取湖とサンゴについての紹介。
能取湖は卯原内駅のホームでも見ることができ、当時もホームで待っていた人は能取湖を見ながら待っていたのでしょう。
網走市鉄道記念館
卯原内駅の駅舎は網走市鉄道記念館として変わっており、記念館では湧網線を中心に北海道各地で使用されていた駅名標や列車のサボ、時刻表、切符などが展示されています。
鉄道記念館は常に開いているというわけではなく、いつもは鍵が掛かっています。
鉄道記念館を見る際は、
①1階にある喫茶店(エルコンドル)の方へお声かけ
②展示室の鍵を開けてもらう
③見学が終わったら喫茶店の方へ再びお声掛け、鍵を閉めてもらう
という流れです。
網走市鉄道記念館の営業時間や休館日については、網走市のホームページも参考にしてください
能取湖(サンゴ草群生地)を見物
網走へ帰る前に能取湖のサンゴ草群生地を見物。
能取湖のサンゴは日本一のサンゴ草群生地とのこと。しかし、サンゴは8月下旬~9月中旬が見頃。残念ながら訪れたのは5月中旬。サンゴは全く見られませんでした。
サンゴを見に来るとしても夏は暑いので、自転車で来るかは考えどころですね(笑)
卯原内までは網走市街地からバスが通っているので、そちらで来た方が良いかもしれません。
終わりに
能取湖を一通り見た後は、来た道を逆戻り。帰りもサイクリングロードを爆走した結果、50分ほどで網走市街地へ戻りました。意外と時間が掛かり、網走⇒卯原内の時とあまり変わりませんでした(笑)
なお、自転車は網走駅観光案内所や道の駅「流氷街道網走」で借りることができます。レンタサイクルの料金は1,000~2,000円。1日中レンタル可能なプランもあるので、時間と体力があるなら網走市内の観光にも行ってみたいですね。
おまけ(183系復刻塗装)
卯原内駅からの帰り。
石北本線沿いを走行中に時計を確認。時間を確認すると特急オホーツク4号の出発時間が近いことに気付き、網走駅近くの更地で自転車をストップ。
数分待ち、網走駅を出発した特急オホーツクの青い車両・・・ではなく、いつもとは違う塗装の車両が登場!
特別塗装をしたキハ183系2両+いつものキハ183系2両の4両編成。
実は、この日の昼頃から網走駅横の車庫に何か珍しいキハ183系がいるなーと思っていましたが、まさかこんなところで出会えるとは。
珍しい塗装をしたキハ183系の正体は、1986年(昭和61年)デビュー時の復刻塗装。ゴールデンウィーク(2022年)から復刻塗装で走り出していたようですが、全く知りませんでしたΣ(・□・;)
プレスリリースによると、復刻塗装の車両の運用は完全にランダム。ということで、たまたま復刻塗装のキハ183系が見れたようです。頑張って自転車を漕いで、街中まで戻った甲斐がありました!
キハ183系は2022年度中の引退が決まったので、記念になりそうです(笑)
それでは、今回はここまで。
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