上越線は、群馬県高崎市と新潟県長岡市を結ぶ路線。1982年に上越新幹線が開業するまでは、首都圏~新潟のメインルートとして利用されていました。
現在、上越線を経由して県を跨ぐ優等列車は臨時列車だけとなっており、定期列車は普通列車のみ(貨物除く)。県境の水上~越後中里駅間に至っては、1日の本数が数本と利用する際にはかなりの制約があります。
そんな水上~越後中里ですが、この区間の中間駅は面白い駅が揃っています。今回は群馬側の2駅を訪れ、そのうちの一つ・湯檜曽駅の訪問記。
目次
下り線ホーム(トンネルの中)
高崎駅から上越線水上行きの普通列車に乗車し、終点の水上駅で列車を乗り換え。
水上駅の一つお隣である湯檜曽駅で下車。
乗車した列車で湯檜曽駅に降りたのは自分だけ。湯檜曽駅の下りホームがトンネルの中にあるということもあり、降りた時に駅とともに少しだけ注目を浴びました(笑)
黄色い柵の内側で発車していくE129系をお見送り。
トンネルの中ということもあり、走行音がしばらく響き渡っていました。
新清水トンネルの中にある湯檜曽駅。
実際は、新潟方面の下りホームのみ設置されており、高崎・東京方面の上りホームは地上に設置されています。
開業時は現在地より北側にあった湯檜曽駅は、1967年より現在の場所に移転。移転と同時にホームが上下線に分かれ、現在のような配置になりました。
そんな湯檜曽駅の下りホームは新清水トンネルの中にありますが、トンネルに入ってすぐのところにホームがあるので、太陽の光がトンネル内を照らし思っていた以上に明るかったです。
新清水トンネルの全長は13.5km。
ホーム中央に両出口までの距離が書かれており、高崎側は200m/新潟の出口まで13.3km。
新潟側の出口まで長い上、トンネル内に土合駅のホームもあるという特殊なトンネルになっています。
なお、2023年時点ではJRの在来線トンネルとして2番目の長さである新清水トンネルですが、2024年に北陸本線(北陸トンネル)の第三セクター化に伴い、JR在来線1位の長さになります。
※新幹線も含むと12番目っぽい
せっかくなのでホームを散策。まずは新潟方面へ行ってみました。
トンネル内のホームということもあり、停止位置目標がホーム上に設置されています。
この区間の定期普通列車は2・4両での運転が基本なので、普段は停目4両を使用しているようです。
続いて7両の停止位置目標。
定期列車で使用する機会はないと思いますが、臨時列車で5・6両運転がある時は使用されています。ただ、7両編成の臨時列車を見たことがないので7両編成で使用されたのは、はるか昔になるのかな・・・。
そして、ホーム端に到着。
ホーム端には最大停止位置目標を示す「電」が置かれていました。
現在の上越線で8両編成以上の列車はほとんどないので、使用されるのはまれな停目。貨物や豪華列車を除き、この停目を使用できるほどの列車が走る機会は今後あるのか・・・。
停止位置目標の横には、信号機が設置されています。現役の鉄道信号機を近くで見れる機会は早々ないので、じっくり見てきました。
ホーム端から新潟方面に続く線路を見れます。ただ、線路は左カーブしているので、100mほどしか見えません。
新潟側のホーム端から下りホーム全体を見渡し。トンネルの中とはいえ、照明があるので全体的には明るめ。カーブが続いているのでトンネル出入口は見えませんでした。
トンネルが長いので、何かあったときの為に消火器が一定間隔で配置されていました。
新潟側の次は高崎側。
ホーム端はトンネルの出入口付近ということもあり明るく、写真撮影に一苦労しました(´ー`)
上り線の線路が見え、この真横に上りホームがあるかと思うと不思議な感覚でした。
1967年に完成した新清水トンネルと下りホームを十分に堪能。
夏に訪れましたが、トンネル内はクーラーのように・・・いや、クーラーより涼しく、ずっと居たいと思いました(笑)
そうは言いつつ、次の場所へ移動。
下りホームと駅舎は連絡通路で結ばれており、通路もトンネルで繋がっています。
この通路は駅舎に向かって下り坂になっています。というのも、この連絡通路の真上に上り線(上りホーム)があるので、上り線を潜るように通路は造られています。
通路の先に上り・下りホームの分岐点。
ここまで来ると暑さが入り込んできて、今が夏だったということを思い出します(´ー`)
水上~越後中里を通る定期列車はかなり少なく、1日5往復(上下で10本)。
列車を1本逃すと4時間以上の待ち時間があったりするので、余裕を持った行動が必須。
夏休み期間や土休日など、時期によっては臨時の普通/特急列車が運転されるので、乗車日の時刻表は要チェック。
湯檜曽駅時刻表(JR東日本)
駅舎外
上りホームへ行く前に、駅の外へ。
現在の湯檜曽駅は、コンクリート造りの質素な建物。
2009年までは現駅舎の右横に長らく使用してきた駅舎があったようですが、取り壊し後は自然に還って雑木になってました。
湯檜曽駅の下りホームがトンネル内にあったりするので秘境駅と勘違いしやすそうですが、秘境駅ではありません。
駅前の道路は国道291号、交通量はそれなりにあります。
更に駅を出て徒歩30秒~1分のところに湯檜曽郵便局があります。
駅前に郵便局がある時点で残念ながら秘境駅とは無関係(^^)
夏の山を見ながら一休み。
このあとは上りホームへ向かいます。
上り線ホーム
再び駅舎に入り、上りホームへ。
上りホームは駅舎との距離が近い為、下りホームとは違い階段で進むことになります。
「海抜557.43」と書かれた柱。
山越え区間だけあって、高い場所に駅舎があると思っていました。
海抜の書かれた柱から右に進むと上りホームの駅名標があります。
ごく普通の駅名標ですが、駅名標をじっくり見ていると右下に何やら数字が書かれています。
海抜555.65m。
数m離れた柱に書かれていた海抜557.43に対し、駅名標の方が1.78m低い。この標高差は一体・・・(もしかすると555.65mは下りホーム?)。
新潟方面に長く続くホームと無駄に横幅のある電柱。
現行の線路横にもう1本線路が敷けそうですが、新清水トンネルが完成する前の1963年~1967年に新湯檜曽信号場として開設されていました。
ホームはまだまだ続くものの、柵により途中で行き止まり。
完全には塞がっていないので行こうと思えば行けますが、突破してまで行こうとも思いません。
その柵より山の方を見ると上越線の線路を見渡すことができます。
湯檜曽ループとも呼ばれているこの場所は、高低差を解消するために山をぐるりと1周。ループするように線路が敷設されているので、湯檜曽駅のホームから土合方面の線路を見ることができます。
なお、旧湯檜曽駅はループ線より少し北側の位置にありました(現在の場所から約1kmほど)。
続いて南側。
下りホームと同じようにホーム上に停止位置目標が設置。
上りホームには、下りホームに無かった2両の停止位置目標が設置されていました。
上りホームも南側はホーム端まで行くことが可能。
上りの最大停車位置目標も「電」のマーク。この停目が使用される機会はいつになるのやら。。。
ホーム端まで来ると新清水トンネルの出入口を見ることができます。
湯檜曽駅の下りホームは冒頭の通り、新清水トンネルの中に設置されており、トンネルに入ってすぐのところにあります。
また、上越線が複線になる(1967年に新清水トンネルが完成する)までは、現在上り線専用となっている湯檜曽ループ方面へ下り列車は進んでいました。
終わり
いろいろ探索をしているうちにお迎えの列車が湯檜曽ループへ。
湯檜曽駅発車時刻の10分前から待機してましたが、4分前にループ線を走るE129系を見ることができました。
貨物列車など、長大編成がこのループ線を走るところをいつか見てみたいです。
定刻通り、2両編成の普通列車が到着。
乗車したのは自分だけでしたが、降車は数名いました。
この後は、水上経由で土合駅に向かいました。
それでは、今回はここまで('ω')ノ
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訪問日:2023年8月