目次
高千穂バスセンター ⇒ 高千穂駅
この日は、宮崎県の北西部に町がある高千穂へ。
高千穂に行く交通手段は、2023年時点ではバスのみ。
延岡からの路線バスと福岡からの高速バスの2択になっています。
今回は、福岡~高千穂・延岡を結ぶごかせ号に乗車。
3時間40分掛かりましたが3列シートだったこともあり、車内で快適に過ごせました。
バスを降りた後は、県道237号線を一直線。
坂道を上がりきると橋があり、その橋から高千穂あまてらす鉄道(旧高千穂鉄道・国鉄高千穂線)の線路を見渡せます。
高千穂バスセンターから10分弱で高千穂駅の出入口に到着。
階段を下りて高千穂駅の駅舎へ。
高千穂駅
赤茶色の屋根が特徴の高千穂駅。
高千穂あまてらす鉄道の拠点駅になっており、スーパーカートの乗車・降車駅になります。
徒歩や自転車(レンタサイクル)で来る人も少なくないですが、高千穂駅へ来る大半の人は車。駅前や駅近くの駐車場は多くの車が停めてありました。
スーパーカートは、通常便が9時40分~15時40分で運行。
繁忙期になると、通常便の始発前と最終便の後に1便ずつ運行されています。
※臨時便の運行有無は公式ページよりどうぞ。
到着時、駅舎内では切符の販売が行われており、数人並んでいました。
順番になり窓口で切符を購入。
現金以外にクレジットカードが使用できたので、クレカで支払い。
料金は1,800円。
廃線跡の活用や目的地の高千穂橋梁を小さい会社が大切に保存してくれていると思えば、安い金額です。
切符の購入列に並んでいる間、駅舎内にあった高千穂駅列車時刻表を見ていました。
時刻表は、高千穂鉄道として運転されていた2004年の時刻。
高千穂駅の発車時刻と到着時刻、行先の延岡駅での接続列車が載せられていました。
高千穂~延岡駅間は14.5往復の運転があったようで、時刻を見る限り不便を感じることは無かったと思われます。
また、延岡駅側の接続列車を見ると「さわやかライナー」「京都行」「別府行」「博多行 0:43」など、今は存在しない列車が多数書かれており、これらの列車に乗っていた人は羨ましいと感じたり、、、
切符を購入し、改札内へ。
改札の中に入ったあと、右手を見ると水色の存在感。
ドラクエのスライムが何故こんなところに(笑)
スライム以外は存在しなかったので、本当に謎でした。
スライムの目線の先ではないものの、駅舎寄りに国鉄時代に使用されていたと思われる高千穂駅の駅名標。
ホーム上にも存在し、こちらは高千穂鉄道でも使用されていたと思われる駅名標。
高千穂町の紹介も兼ねた写真が駅名標に載せられています。
高千穂駅は1面2線。
一部を除いて工事をされた形跡はなく、現役時代のまま使用されているようです。
現役駅舎の先は車庫があり、車庫の中にはTR-200形が2両。
期間は限られるものの、運転体験が可能。しかも廃線跡ということもあり、運転距離がなんと900m!
30分も運転できるらしいので、いつかやってみたいな・・・。
車庫の先は行き止まり。
実際はこの先、高千穂と熊本県高森(現在の南阿蘇鉄道)を結ぶ予定でしたが、国鉄再建による工事中断により繋がらず。
1993年に高千穂~高森の鉄道用地は高千穂町と高森町へ譲渡され、高千穂より熊本方面に線路が敷かれることはありませんでした。
スーパーカート
高千穂駅~高千穂橋梁を結ぶのは、2両のスーパーカート。客車の前後にある運転席も含め、4両で運転されています。
スーパーカートの客席は意外と大きく、1両の定員が30人。2両合わせて60人乗れる車両になっています。
個人客だけだと十分すぎますが、団体客が来るとすぐに定員になってしまうので乗車する際は注意が必要です。
30分の乗車時間ということもあり、座席は横向きのベンチ型。青い部分はクッションで、乗車時間も考えるとこれぐらいで十分です。
スーパーカートはチケット購入時に号車が指定されていますが、座席は自由席。早く来た人から乗車するので座りたい場所がある場合、早めに並ぶ必要があります。
車窓
定刻通り、高千穂駅を発車。
高千穂駅には出発信号機と場内信号機が残っているけど、点灯はしておらず。。。
点灯していたら面白かったですが、設備更新や車両整備等が大変なので点灯していないと思われます。
高千穂~天岩戸駅間の間は、トンネルが複数存在。現役時代のままなので、ライトや照明はなし。
照明が無いと真っ暗なので、トンネルに入ると同時に天井へカラフルな照明。現地でも綺麗に見えましたが、写真で撮ると更に綺麗になりました。
高千穂町の田畑を見ながら進み、約10分弱。
線路脇に48キロポストが残っており、高千穂駅から2km進んでいました。
48kmを見てすぐ、天岩戸駅に到着。
天岩戸駅も時刻表や自動車学校の看板が現役当時のまま残っていました。
待合室や駅名標も現役当時のまま。
1点変わったことがあるとすれば、駅の出入口が無くなっており、直接ホームへ上がることができないようになってました。
天岩戸駅は停車駅でじっくり見ることが可能。
ただ、それとは別に天岩戸駅の停車はもう一つ大事な役割があり、高千穂橋梁上の風速確認の為に停車します。
天岩戸駅停車中にアナウンスがあり、風速が強い時は安全上、渡ることができず引き返すことがあるらしい。
その際は、高千穂橋梁を渡らず高千穂~天岩戸駅の折り返し運転になると案内がありました。
乗車日は天気もよく、風速は1m/s以下。
安全に問題が無いので、小さい信号機が青点灯。スーパーカートは、ゆっくり高千穂橋梁へ進行。
高千穂橋梁の真ん中付近でスーパーカートは停車。
鉄道営業法に則り運行していた時は、日本一の高さを誇る鉄道橋だった高千穂橋梁。その上からは、高千穂町一帯を見渡すことができ、乗車日の季節は新緑と合わせて楽しむことができました。
高千穂橋梁の上では、案内放送とともに運転手の方が大きいシャボン玉を飛ばしていました(しかも結構な量を)。
自分が座った場所は車両の端っこ。車両と車両の間を見ると高千穂橋梁の真下を見下ろすことができ、下にある岩戸川を楽しむ・・・楽しめます!
日本一の高さということで、岩戸川の水面から高千穂橋梁まで105mの高さ。
さすがに105mは少し恐怖を感じるほど。高所恐怖症の人は見ないのが得策(そもそもここに来れるのかw)
運転手の人もここまで来たら諦めてくださいと言ってました(笑)
10分弱停車したのち、再び延岡方面へ。
ただし、200mほど進んだところでトンネルがあり、そのトンネルには封。
トンネルは「大平山トンネル」。大平山トンネルは約3kmあり、この先は日之影町に入ります。
このトンネルの先に深角駅があり、現役時代は秘境駅だった駅。いつか、このトンネルを通って深角駅まで通じると良いなと思います。
大平山トンネル前に着くとスーパーカートは反対方向に進行。
いつの時代か分からない、何なら現役時代のまま残っていると思われる制限速度25kmを見ながら高千穂駅へ。
ちなみに、記憶違いでなければE257系などで使用されているミュージックホーンが出発時に流れていました('ω')
来た道を折り返すだけなので、景色をじっくり眺望。時に寝そうになりながらZzz
スーパーカートとはいえ、元が鉄道の設備なので枕木が痛んできていたようです。
その為、所々に新しい枕木(PC枕木)が線路脇に置かれていました。
今後、少しずつPC枕木に交換していくとアナウンスが流れていました。
乗車時間30分、距離にして5.1kmの小さな列車旅が終了。
高千穂駅の到着直前、ホーム脇に50kmポストが立っているのに気づきました。
おわり
高千穂鉄道廃線後、スーパーカートとして復活した高千穂駅~高千穂橋梁の区間。乗車する人はかなり多く、この日も変わる代わりに多くの人が乗車。
高千穂町には、高千穂峡や神社などの観光地が多く存在するので、他の観光地と合わせて乗車する人が多いように感じました。
実際、自分もスーパーカートの他に、高千穂神社や高千穂峡を巡りました。
鉄道として復活はできなかったものの、大切に保存して頂いたおかげで日本一の鉄道橋を現在も楽しむことができます。今後も、多くの人が乗車しこの区間が残る。更にもっと先まで運転区間が延びることを楽しみにしています。
自分も別の季節に乗りに行きたいと思います。
それでは、今回はここまで('ω')ノ
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乗車日:2023年5月