北海道・宗谷本線は秘境駅の宝庫ですが、近年はJR北海道の経営合理化の影響もあり、その数は減少しつつあります。そんな中、自治体に駅管理が委託され、現在も元気に現存している秘境駅・糠南駅へ行ってみました。
目次
早朝の音威子府
糠南駅は普通列車のみが停車する駅ですが、現在糠南駅を停車する列車は1日6本。内訳は上下列車が3本ずつ。列車本数が非常に少なく、列車では訪れにくい場所ですが、旭川・音威子府方面から糠南駅⇒糠南駅から音威子府・旭川方面に関しては、比較的まだ訪れやすいダイヤ設定になっています。
今回、糠南駅を訪れるに際しどの時間帯で行こうかなと考えましたが、朝一に行けば誰もいないのでは?と思い、前泊で音威子府の宿泊施設に1泊。荷物を宿に置いたまま、早朝の音威子府駅へやってきました。
音威子府駅の時刻表。左が稚内方面、右が名寄・旭川方面。
糠南駅へ行くには左の稚内方面、普通列車を示す黒文字を見ることになるのですが、①5時35分 ②9時08分 ③17時02分しか糠南駅へ行く方法がありません。
この日の行程として、音威子府⇒糠南⇒音威子府(宿へ戻る)⇒稚内駅
という行程を考えていたので、5時35分の列車に乗ることにしました。
発車の10分前に音威子府駅のホームへ到着。5時35分の列車は音威子府始発ですが、乗車予定の普通列車はホーム上にいませんでした。
列車がいないので、しばらく霧に包まれた音威子府駅を眺めていました。
発車の5分前、5時30分頃にキハ54が回送列車として名寄方面からやってきました。
音威子府始発の列車ですが、まさか名寄の方から回送列車として来るとは思いませんでした。(名寄~音威子府駅間は53.1km)
普通列車は定刻の5時35分に音威子府駅を出発。乗車したのは私一人だけ・・・
車内は一人なので、朝方の宗谷本線沿線の景色を独り占めしてました!
そんなこんなで音威子府から約50分で糠南駅の一つ手前にある問寒別駅に到着。問寒別駅の待合室ってこんなにオシャレだったか?と思っているとご老人が一人待合室で列車を待っていました。名寄方面の列車はまだ30分もあるのに、だいぶ早く駅に来ていました。後ほど、音威子府へ戻る時に乗車されてきました。
糠南駅・訪問記
問寒別駅の次が糠南駅。問寒別駅を出発してすぐに車両前方へ移動。
問寒別駅から3分程で糠南駅が見えてきました。
ついに念願の糠南駅。そして一目で分かるほどホームが短い!!
運転士の方へ北海道・東日本パスを見せて糠南駅へ下車。
ホーム上から駅を見てみると、キハ54の車両後ろ側がホームからはみ出していました(笑)
乗客がいなくなった稚内行き普通列車が糠南駅を出発。
恐らく列車は3つ先の幌延までは乗客0のまま走行。幌延駅からは稚内市内の高校へ向かう高校生を乗せていったと思われます。
糠南駅へ到着しましたが、滞在時間は18分。急いで糠南駅を見ていきます。
木の板張りで出来ているホーム
列車内からも見ていたホーム。改めてじっくり見てもとても短いホームです。そして駅の周りに建物が一つも見当たらず・・・
普通列車で乗ってきた線路の方向を見ても何も見当たりません。見えるのは牧場か木々。問寒別の町並みも全く見えません。
また、列車の停車位置目標が上下列車ともに同じ位置なのもミソ。
糠南駅の特徴の一つ、ホームが木の板張り。板張りなので、ホーム下が覗けます。
木の板張りということで、腐食等が発生してもおかしくないですが、しっかり整備されているのかホームの端まで異常は見当たりませんでした。
糠南駅の駅名標。板張りのホームとは違い、駅名標は枠も含め劣化が進んできています。
駅名標の右下、おのっぷない(雄信内)が白枠になっていますが、2001年までは糠南~雄信内駅間に上雄信内駅が存在していました。2001年に上雄信内駅が廃駅になったことで、おのっぷない(雄信内)が糠南駅の次駅ということになりました。
待合室はヨド物置
続いて糠南駅の待合室。写真や動画で知ってはいましたが、直に見るとやっぱり面白いです。
待合室を色々見ていると、右上に「ヨド物置 あぜくら」の文字。待合室はヨド物置だったのか!
ヨド物置の扉を開けると確かに物置のようなスペース。
その狭いスペースにはビール瓶を活用した椅子や時刻表、運賃表が掲示されていました。
右側には雪かき。こちらは物置としての正しい使われ方()
ヨド物置の中にあった気温計。この日の糠南駅の気温は4度でした!
雪かきの上に掲示されていた宗谷本線の時刻表。
名寄~稚内駅間の本数、以前はもう少しありましたが気付けば1日数本に・・・。
時刻表&運賃表
糠南駅の時刻表。1日に上下3本ずつ、計6本のみの停車。
冒頭にも書きましたが、名寄・音威子府⇒糠南⇒名寄・音威子府方面はまだ来やすい時刻表になっています。稚内方面から訪れるのは少し厳しい・・・
時刻表通りに列車が来る場合の滞在時間は、
稚内行き⇒名寄方面
①18分(6時30分⇒6時48分)
②2時間5分(10時06分⇒12時11分)
③1時間37分(18時04分⇒19時41分)
になります。
糠南駅からの運賃表。
天塩中川~兜沼駅間で廃駅になった駅が幾つかあったので、運賃表が上書きされています。
駅全体と駅の周り
糠南駅のホームを降り、駅全体を見ていきます。
糠南駅前にある踏切から駅を撮影。駅全体が写真の中央付近に収まるほど、本当に小さな駅。何にもない所にポツンと駅がある、そんな感じです。
糠南駅前の踏切「中問寒糠南線踏切」。踏切名の下にあるkmは旭川駅からの距離を示しています。糠南駅は旭川駅から178.0kmの位置に存在します。
最後にホーム上から見える景色を紹介。
糠南駅前。牧草地帯が広がっています。というより、糠南駅から主に見えるのは、牧草・木々・山といっても過言でないしょう。その分、自然の音しか聞こえないので、とても落ち着きます。
音威子府へ帰還
糠南駅を堪能するのは良いですが、18分の滞在時間はあっという間にタイムリミット。6時48分発の名寄行き列車が到着。
車内へ乗り込みましたが、乗客は誰もいませんでした。
遠ざかっていく糠南駅。次に糠南駅へ訪れるのは、いつになるやら・・・
糠南駅から約50分。宿泊地にしていた音威子府へ戻ってきました。早朝は霧に包まれていましたが、視界は良好になっていました。
ちなみに今回宿泊したのはゲストハウス・イケレ音威子府。鉄道関係の施設を改装して現在はゲストハウスとして営業されています。イケレ音威子府については、別に纏めてますので合わせてご覧ください!
イケレ音威子府
北海道で一番小さな村・音威子府に宿泊【ゲストハウス イケレ音威子府&夜の音威子府駅】
糠南駅へのアクセス
宗谷本線と糠南駅の時刻表も貼っておきます(JR北海道のHPへ移動します!)
それでは、今回はここまで('ω')ノ
宗谷本線・抜海駅
秘境駅シリーズ
訪問日:2022年4月19日(火)