本内容を書く1年前(2021年4月)になりますが、山形県で一番有名な秘境駅と言っても過言ではない奥羽本線・峠駅を訪れました。
目次
峠駅について簡単に紹介
峠駅は山形県米沢市にあり、奥羽本線の一駅。板谷峠を通る鉄道路線で最高地点の駅。
また、過去に大沢・峠・板谷・赤岩(現在は廃止)の4駅連続スイッチバックがあった時代の一駅。山形新幹線開業に伴い、スイッチバックは廃止されましたが、現在もスイッチバック時代の遺構が数多く残っています。
県庁所在地・山形駅から峠駅へ
前日、仙台経由で山形入りし、山形駅近くのホテルで1泊。この日は朝6時から活動開始です。というのも、後で峠駅の時刻表をお見せしますが米沢~福島駅間の普通列車は本数が少なく、行動しやすい時間が今回の場合は朝一しかありませんでした。
山形新幹線の始発列車・つばさ122号が山形駅を出発していきます。この「つばさ122号」の5分後に出発する普通列車・福島行きで峠駅を目指します。
峠駅に向かう途中の中川駅~赤湯駅間は山越え区間。その山越えを超えると赤湯駅や赤湯温泉がある南陽市を一望できました。朝霧がすごかったですが(笑)
スノーシェルターに覆われた秘境駅・峠
山形駅を出発して1時間。普通列車は峠駅に到着。峠駅で下車したのは私だけでした。
峠駅のホーム
峠駅には名物の「峠の力餅」があり、その力餅を立ち売りで販売している売り子さんがホームで出迎えていました。売り子さんの大きな掛け声と共に列車から数名が下車し、峠の力餅を短い停車時間の間に購入していました。私はこの時はまだ買わずに、帰りの列車に乗る前に購入しました。
峠駅の全体を福島方面に見ます。駅全体がスノーシェルターに覆われており、シェルターの先にはトンネルがあります。
構内踏切を渡るとホームに行くことができます。
米沢駅方面は進路が2つに分かれており、右手が現在の山形新幹線・奥羽本線。左手が旧峠駅・現在の出口方面になります。
峠駅7時43分発の普通列車米沢行きが到着しました。この列車が福島駅からの始発列車で、何人か降りてきました。
タクシーの連絡先
峠駅にはタクシーを呼ぶことができるみたいです。駅ホームの構内踏切を渡ってすぐの所にタクシーの連絡先がありました。ただ、いずれも米沢市中心地にあるタクシーなので、峠駅に来るまで相当な時間が予想されます・・・。
ちなみに、峠駅の住所は山形県米沢市になります。
奥羽本線の時刻表
峠駅の時刻表。山形新幹線は通過するので、奥羽本線のみの時刻表になります。
写真を見て頂くと分かると思いますが、本数が非常に少ないです。特に朝・夜の時間帯が終わると4~5時間は列車が来ません。峠駅へ列車で訪れる際は、時刻をよく確認してから訪れる必要があります。
近距離きっぷ運賃表
峠駅からの運賃表。峠駅から普通運賃を払う方は少ないと思いますが、参考にどうぞ。
板谷~庭坂駅の間に謎の隙間がありますが、2021年3月のダイヤ改正で廃止になった赤岩駅がありました。
スイッチバック跡を辿る
峠駅のホーム端(福島方面)まで来てみました。山形新幹線・奥羽本線は複線なので、両方の線路がトンネルの中に入っていきますが、それとは別に左手にもう一つトンネルがあります。
左手にあるトンネルには線路が続いていませんが、峠駅がスイッチバックとして使用されていた時の名残です。どれぐらいの長さがあるかは分かりませんでしたが、トンネルは封鎖されていませんでした。
少し前にも出てきましたが、峠駅のホームを米沢駅方面に撮影。スイッチバックをしていた頃の峠駅は写真の真ん中辺り、左にカーブしていきます。
今度はスイッチバックの道を進んで見ます。スイッチバックの頃に使用されていた線路や架線は基本的には撤去されており、代わりに駐車場や電気設備が設置されていました。また、スノーシェルターの真ん中辺りには歩行者が通りやすいよう、舗装された道があります。
さらに少し進むと右手に線路があり、スイッチバック時代に使用されていた線路だと思われます。わずか20~30m程の線路ですが、なぜこの部分だけ残っているのかは分かりません。
スノーシェルターの外に出てきましたが、スノーシェルターの外は見どころが満載!
まずは手前にある信号機と架線。スイッチバック時代に使用されていた設備が今もなお残っています。そして、地面の方に目を向けると冬の時期に降ったであろう雪が溶けきれずに残っています。山間にある駅なので、当然といえば当然なのかもしれませんが。
更に線路があった場所には大量の大きな石が積まれていました。
先程の場所から反対側を撮影。シェルターは入口部分が若干劣化してきてますが、それでも綺麗な状態です。
また、駅の入口付近には民家があります。人がいる雰囲気はありませんでしたが、暖かい時期になると状況が変わるのかもしれません。
現在の峠駅の出口から少し歩くとスイッチバック時代に使用されていた峠駅の跡地があります。線路部分は一部自然に還りかけてますが、ホームや架線は当時のまま残っています。
旧峠駅のホームから最奥を撮影。本当は一番奥、トンネルの入口まで行ってみたかったですが、雪解けの水が大量にあり、溜池みたいになっていたので行くことができませんでした。
峠駅から福島駅方面・出発信号機がある方を撮影。
旧峠駅のホームに駅名標があったであろう枠が残っていました。昔の駅名標が見れたら面白いな~と思っていた所・・・
なんとありました!米沢と一緒に「青森方面」と書いてあるのが時代を感じますね。
その駅名標ですが、峠の力餅を作っているお店「峠の茶屋」の入口にありました。
峠駅前~再出発
「峠の茶屋」は、お店の中でも食事が可能ですが、毎年11月中旬~4月下旬までは降雪時期ということもありお休み。立ち売りは通年行っているそうですが、降雪期は販売が早く終了することがあるようです。現にこの時もお店は閉まっていましたが、立ち売り販売は行っていました。
峠の茶屋(公式ページに移動します)
さて、先程の峠駅の旧ホームに一旦戻り、しばらく待っていていると峠駅を通過するつばさ124号東京行きが走っていきました。現在の峠駅から新幹線が通過するシーンを撮っても良かったのですが、あえて坂道を走る新幹線を見たかったので、旧ホームに向かいました。
駅前には「ちいさな旅モデルコース」ということで、峠駅から行ける温泉地が紹介されています。ただ、紹介するのは良いが、どのルートも何時間もあるかないと辿り着けないルートになっています。しっかり事前準備をしてから向かいましょう!
先程はシェルターをスイッチバック方面に抜けましたが、こちらが峠駅のメイン玄関だと思われます。入口上にある駅名標が古く、いい味を出しています。
再びホームに戻ってきました。ホームを再度散策していると、シェルターに貼り付けられている駅名標を発見しました。この駅名標もだいぶ年数が経っています。
しばらくホームで列車を待ち、8時26分発福島行きの列車が到着しました。この列車に乗車したのは私だけで、他の方はこの後の米沢行き普通列車に乗車したと思われます。なお、この列車が到着する寸前に「峠の力餅」を購入しました。
峠駅を出た後も引き続き山間区間が続く奥羽本線。4駅連続スイッチバックは伊達ではありません。
普通列車はこの後も順調に進み、終点の福島駅に定時で到着しました。
峠の力餅
峠駅で購入した峠の力餅。8個1,000円で販売していました。千円札1枚で購入でき、面倒な計算がいらないので有り難いですね。
箱の中にはあんこが沢山入った餅が8個。甘すぎず、お茶と一緒に食べたくなるお餅でした。美味しかったので、また食べてみたいです。
終わりに
峠の力餅ですが、普通列車の停車時間が短い為、峠駅到着手前の列車内ではソワソワする方が出てきます。そのような方は大体「峠の力餅」を購入してました(笑)
峠駅の停車時間は短いですが、峠の力餅を買っている人がいる時は、ほんの少しだけ列車が待ってくれています。素早く購入しつつも、慌てすぎずに購入しましょう。また、お釣りがない方が売り子さん的には楽なので、千円札は必ず持参しておきましょう!
ということで、今回はここまで。
それでは~
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日本最北端の無人駅&秘境駅
訪問日:2021年4月4日(日)