本ページの乗車記は2018年6月の内容になります!
2022年1月末、根室本線の富良野~新得間の事実上バス転換決定という報道が流れました。2022年時点で富良野~東鹿越駅間は列車による運行。東鹿越~新得駅間は代行バスによる運転が行われていますが、近い将来、富良野~新得駅間を全てバスによる運行になるということです。
元々は2016年の台風による線路被害から代行バスの運行が始まりましたが、線路復旧は5年の間放置され、最近になりJRと沿線自治体が協議していましたが、復旧を断念。富良野~新得駅間の運行に年間10億円掛かる運用コストを負担できないということもありますが、国や北海道のやる気を感じられず、JR北海道の支援策の中に同区間が含まれていません。
JR北海道の直近の廃止といえば、留萌本線の留萌~増毛駅間。札沼線の北海道医療大学~新十津川駅間が挙げられます。また、函館本線の長万部~余市駅間も北海道新幹線の開業と同時に廃止が決定。余市~小樽駅間も現在協議が続けられていますが、こちらも存続が危うい状況です。
一体、北海道の鉄道は今後どうなってしまうのでしょうか・・・
それはさておき、今回はバス転換の報道が流れている富良野~新得駅間の乗車記を書いていきます。乗車日は2018年6月ですが、今とそれほど変わっていないと思います。
乗車した日は朝早くから行動していたので、今でも鮮明に覚えています。
目次
鉄道区間(富良野⇒東鹿越)
この日は、富良野からスタート・・・ではなく、宿に安く泊まれた旭川駅からスタート。
富良野駅から東鹿越行きに乗れるよう、旭川駅から富良野線の列車で富良野駅を目指しました。
富良野線の始発列車に乗車する為、朝5時20分頃に旭川駅に到着。朝早くなので、駅周辺には誰一人いませんでした。
改札付近で列車の確認。
旭川駅5時39分発・富良野行きの列車で富良野駅を目指しました。
富良野線の普通列車に揺られながら、旭川から1時間30分で富良野に到着。
富良野駅ホームには北海道経緯度中央標点の碑が設置されており、「富良野は北海道の中心地だよ!」と紹介してました。
東鹿越駅行きの列車は7時20分発。東鹿越駅方面の一番列車になります。
滝川駅始発なので、富良野駅でしばらく待ちました。
富良野駅ホームから東鹿越方面を撮影。
バス転換へのカウントダウンは始まっているので、乗れる時に乗っておいた方が良いでしょう・・・
富良野駅から東鹿越行きの列車に乗車。
順調に進みながら、富良野駅から2つ先・途中の山部駅に到着。山部駅からは芦別岳(多分・・・)が見えました。
時期は6月ですが、山頂付近には雪が積もっていました。
山部駅を出発すると線路は空知川に沿うように設置されている為、左にカーブしながら東鹿越方面に進みます。
金山駅⇒東鹿越駅間では空知川を渡ります。
川にしては幅が大きいと思ってましたが、調べてみるとこの辺りはかなやま湖という湖だったようです。
富良野駅から45分程。列車は東鹿越駅に到着。周りに住宅等の建物はありませんが、通学の学生と一緒に代行バスへ乗換。
東鹿越駅の駅名標。幾寅駅~新得駅間はいつか乗ってみたかったのですが、その機会は1度もありませんでした。
行先板(サボ)は「東鹿越~富良野~滝川」で設定されていました。
東鹿越から落合・新得方面。列車が走っていないということもあり、この時点から東鹿越駅の新得方面は草が生え始めていました。
富良野方面は列車が通るということもあり、線路周りは草も生えておらず綺麗でした。
代行バス区間(東鹿越駅⇒新得駅)
東鹿越駅の駅舎とバス停の停車位置目標がありました。あくまでも列車ということで、バスにも停車位置が示されているのでしょうか。
駅舎入口を拡大して撮ってみると、代行バスの案内が貼ってありました。
駅舎の中も見たかったのですが、乗換時間が短かったので諦めました。
代行バスは東鹿越駅の一つお隣・幌舞駅・・・ではなく、幾寅駅に到着。
幌舞駅は鉄道員(ぽっぽや)のロケ地で、ロケセットが幾寅駅周辺には現存しています。また、駅舎の向こうに幾寅駅のホームがあります。
幾寅~落合駅間を走行中の代行バス。
列車内で遭遇した大勢の学生ですが、幾寅駅を出発してすぐの所で下車していきました。幾寅駅近くの高校生達がこの区間を利用しているみたいです。
学生が下車した後の代行バスですが、車内はガラガラに。この時は私を含めて3人しか乗車していませんでした。
落合駅に到着。
ダイヤに相当余裕があったのか、落合駅では時間調整の為に10分程停車。待合室の中には入れそうでしたが、バスの車内で待っていました。今思えば、駅舎の中に入ってみればよかったですが・・・
落合駅のホームはバスの中からでも見ることができ、ホームや線路には大量の草が生え、自然に還っている段階でした。
しばらく落合駅に停車したのち、代行バスは新得駅に向けて出発。途中で根室本線を交差しましたが、線路がほとんど見えない状態でした。落合駅は跨線橋があるので位置は分かりましたが、かつて広大で賑わって駅は見る姿を無くしてしまっています。
根室本線の線路は落合駅を出ると山の中を突き抜ける為に、すぐトンネルの中に入っていきますが代行バスは狩勝峠を経由。
この狩勝峠は、根室本線がかつて峠越えをする為に通ってた区間になります。その為、代行バスは根室本線の旧線とほぼ同じルートを通ることになります。
バスの景色からは根室本線の旧線跡が所々で見ることができ、代行バスの中から狩勝信号場の跡などを見ることができました。
その狩勝信号場跡を過ぎると狩勝峠の頂上を通る・・・のですが、狩勝信号場を過ぎた辺りから霧が段々濃くなり、遂には前が真っ白でほとんど見えない状態になりました。車窓も見えず、前方も全く見えず、ただ白い空間を走っている間隔でした。
旧根室本線の狩勝峠区間から見える十勝平野は日本三大車窓にも選ばれており、この日はとても楽しみにしていたのですが、濃霧で全く何も見えず・・・。リベンジで狩勝峠には、また行きたいと思います。
代行バスは、旧根室本線・新内駅の近くにある十勝サホロリゾートの中にも入ります。せっかくバスで運行するので、利便性を高めるために乗り入れていると思われます。
代行バスは東鹿越駅を出発して1時間程で新得駅に到着。富良野駅から含めると2時間弱で到着しました。
落合~新得駅間は狩勝峠を超える為、バスだと50分弱掛かりました。
代行バスの時刻表。
2018年時点では5本ありましたが、2022年3月時点では10時代の代行バスが無くなり、4本となっています。
この後は、新得駅舎内にある駅そば屋でそばを食べ、特急スーパーおおぞら4号(現在のおおぞら4号)に乗車。新千歳空港に向かいました。
終わりに
平日だったが、乗車している人が本当に少なかった。落合駅で反対側の東鹿越駅方面の代行バスとすれ違ったが、そちらも数名乗っている程度だった。
代行バスは、旧根室本線が通っていた狩勝峠の区間を走るので、これはこれで面白いです。特に日本三大車窓で、現行の線路では見ることができなかった「狩勝峠からの十勝平野の景色」を見ることができるので、こちらに関してはとても良いことだと思います。
狩勝峠区間の廃止は1966年10月。台風によって東鹿越~新得駅間が不通になったのが2016年8月。50年後に代行バスとはいえ、狩勝峠のルートが復活したということも何かの運命なのかもしれません。
それでは今回はここまで。
・・・それにしても、よく霧に遭遇している気がする・・・
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【683系】北陸への1番列車・特急サンダーバード1号で金沢へ
乗車日:2018年6月19日(火)