立山・黒部の旅行1日目。
この日は富山市内から宇奈月へ向かい、黒部峡谷鉄道に乗車。5月下旬~11月末まで観光客が行くことができる欅平へ行くことにしました。
目次
富山地方鉄道(電鉄富山 ⇒ 宇奈月温泉)
朝5時台の富山地方鉄道・電鉄富山駅。
人の少ない時間に行きたかったので、朝早い列車に乗車。
富山地方鉄道で本線の終点・宇奈月温泉駅へ向かいます。
宇奈月温泉駅は、黒部峡谷鉄道の起点・宇奈月駅の最寄り駅になります。
電鉄富山駅・5時46分発の普通列車宇奈月温泉行き。
富山市内から黒部峡谷鉄道の始発列車に乗車するには、この列車に乗る必要があります。
地鉄の列車に揺られながら宇奈月へ。
立山連峰の方を見ると、雲行きがかなり怪しい・・・。天気図を見ると激しい雨が降っているようだ。。。
富山地方鉄道の普通列車に揺られること約2時間。終点の宇奈月温泉駅に到着。
宇奈月温泉駅のホームから黒部峡谷鉄道の車両やトロッコが多数見えます。
しかし、黒部峡谷鉄道の宇奈月駅は、富山地方鉄道・宇奈月温泉駅より200mほど離れた所にあります。
黒部峡谷鉄道の路線図
宇奈月温泉駅の駅舎近くにあった観光地図を拝借。
黒部峡谷鉄道も描かれていますが、山々を貫くように宇奈月~欅平を結んでいます。山の中を走るので、秘境路線といっても過言ではありません。
宇奈月駅
富山地方鉄道・宇奈月温泉駅から歩いて約3分。黒部峡谷鉄道の宇奈月駅に到着。
駅に着いてからは、1日乗車券や列車の指定券を購入。
黒部峡谷鉄道のトロッコは、1列車に対し定員制を設けているので、乗車したい列車&区間の乗車券(時間指定券)を受け取る必要があります。
ただ、この時は平日の朝一番ということもあり、出発20分前でも列車の指定ができました。
乗車券を購入したところで、いったん駅舎外へ。
駅舎から少し歩いたところで、これから行く黒部峡谷鉄道の線路や橋を見れます。
この風景を見るだけで、なかなか険しいところを行くんだなと想像できます。
出発時刻が近づいたところで、改札の開始。
8時17分は観光客も乗車できる列車。その次の8時37分も欅平へ行く便ですが、案内には「工事列車」と表示されています。
電力の工事関係者専用の列車が観光用列車の合間を縫って走っているようです。
宇奈月駅の駅名標。
終点の欅平まで標高が高くなっていきますが、最終的にはどれくらいになるのやら。
宇奈月駅のすぐ隣には、黒部峡谷鉄道の車両基地。富山地方鉄道の黒部温泉駅からも見えていましたが、宇奈月駅のホーム端からでも見ることができます。
宇奈月のホーム下には車両基地方面へ延びる分岐器がありますが、通常の2分岐型ではなく、3方向型の分岐器。3方向の分岐器を見ることはなかなか少ないのですが、その分岐器をホームから見えるというのが更に珍しいポイント。
黒部峡谷鉄道では、その珍しい3分岐器を使用して突放作業を行ったりと、なかなかカオス おもしろい駅になっています。
時間がある際は、作業の様子を見るのも良いかと思います。
客車
普通客車はオレンジを基調とし、窓が無いオープン客車。
乗車券のみを購入した場合、普通客車へ乗車することになります。
窓の無い客車は非常に珍しく、今の国の基準では窓無し客車を造ることはできないらしい。
私が今回購入した1日乗車券も普通客車が乗り放題となる「ベーシックタイプ」を購入していました。
が、欅平まではこの普通客車には乗車しませんでした。
黒部峡谷鉄道にはもう一つ、リラックス客車という窓付きの客車があります。
リラックス客車の車内はボックスシート。窓も付いているので、雨が降っても心配いらず(←天気が悪い日は重要)
落ち着いて景色を楽しみたい方は、客車型の車両。スリルや山の空気を存分に吸いたい方は、オープン型の座席に乗車することをオススメします。
客車の共通仕様として、天井にトランプカードが張られています。乗車した全ての客車に「ハートの10」がありました。
気になって調べましたがどこにも情報なし・・・。
私、気になります!
黒部観光鉄道 乗車記
宇奈月駅を定刻に出発。
宇奈月 ⇒ 黒薙
平日の朝一の列車ということもあり、観光客は少なめで各車両に1~4名ほど。その他、電力関係の作業員の方が空いている車両に乗車していました。
黒部川に沿うように進行。山間区間なのでトンネルは多いですが、景色の良い所も多い。
1993年より稼働している新柳河原発電所。ヨーロッパの城にあるような外観が特徴。黒部川の色がエメラルドグリーンということも相まって、「ここはどこだっけ?」となります(笑)
新柳河原発電所の横には、作業員専用の柳橋駅があります。列車の行き違いや作業員の乗降で停車する時間もありますが、朝一の定期列車は通過。
黒部川と雄大な緑。
黒部川の反対側に「とちの湯」という温泉施設があります。宇奈月駅周辺から道路が繋がっており、車や自転車で行くことができます。
とちの湯(公式ページへ)
とちの湯を過ぎると、今度は「猿専用の吊り橋」が見えてきます。
当初は上の写真、真ん中なの橋2つがそうなのかなと思っていたのですが、写真の右端にちょびっと写っている橋が猿が渡れる橋でした。
猿専用ということもあり、吊り橋には手すりがついていません。
猿専用吊り橋を過ぎると、続いては仏石。
赤い頭巾が目印の仏石は、写真だとかなり分かりづらい。しかし、トロッコに乗っている時も瞬間的にしか確認できません。一瞬なので、少しでもタイミングを逃すと見逃します。
参考:仏石について(黒部めぐり)
途中の森石駅を通過。
ようこそ 黒部峡谷へ
宇奈月駅を出発して20分少々。最初の停車駅である黒薙駅に到着。
観光客らしき人が降りる姿はなく、むしろ工事関係者の方が多く下車。
黒薙 ⇒ 猫又(後曳橋・出し平ダム、そして大雨)
黒薙駅を出発してすぐにある青い橋、後曳橋(あとびきばし)を渡ります
写真では伝わりづらいですが、後曳橋と黒部ダムは高低差が60mほどあり、リラックス客車に乗っていても少し恐怖感がありました(笑)
後曳橋を渡るとトンネルへ入り、そのトンネルを抜けると笹平駅。笹平駅は通過。
笹平駅は通常、観光客の乗降ができません。ただ、4月下旬~5月中旬までは終着駅になる関係で、期間限定で乗降可能になります。
笹平駅を過ぎると、右手側の車窓に出し平ダム。後ろの山と相まって、かなり良い車窓でした。
しかし、出し平ダムを過ぎた辺りから雲行きが怪しくなり、遂には雨も降りだすという・・・
富山 ⇒ 宇奈月の移動中に見ていた黒い雲がここに来て正体を現しました。
雨は強く降り、客車やトンネル横から滝のように水が溢れ出してきました。
リラックス客車だったので開けていたドアを全て開閉。こういう大雨の時、リラックス客車で良かったなと思うと同時に、窓が無い普通客車に座ってたらびしょ濡れになっていたのだろうなーと思ったり。
雨は止む気配を見せず、大雨の中をトロッコ列車は突き進む。
手動アナウンスで「客車外に傘が出ないようにしてください」的なアナウンスを行っていたので、やはり大雨の普通客車は大変そうだなと思いながら乗車してました。
さっきまでエメラルドグリーンで綺麗だった黒部川は濁水に。
そんな濁っている黒部川を見ていると、黒部川第二発電所前を通過し、猫又駅へ。
黒部川第二発電所を過ぎると猫又駅に到着。
雨は猫又駅に着いた時が一番強く、写真に写るほど大粒でした。
猫又 ⇒ 欅平
しかし、猫又駅を出発して2~3分するとさっきまで降っていた雨はどこへやら。何事もなかったかのように、普通の曇り空に変貌。
宇奈月駅から約45分。鐘釣駅に到着。
鐘釣駅では観光客が数人下車。
鐘釣駅は少し珍しく、ホーム上でスイッチバックを行い、各方面へ出発するという駅になっています。トロッコ列車だからできる所業と言ったところか。
鐘釣駅を出発し、進行方向の左手に黒部万年雪。
名前の如く、雪が解けずに年中を通して残っているところになります。真っ白い雪と茶色の雪があり、茶色い部分が年中残っているようです。
完全に山奥。欅平が近づくに連れ、秘境感が増し増し。
小屋平駅。工事関係者のみが乗降可能。乗車した便は小屋平駅を通過。
小屋平駅の後ろに小屋平ダムがあります。その小屋平ダムからは、濁った水がものすごい勢いで放水されていました。列車は走っていたので少ししか見れませんでしたが、遠くからでも迫力を感じました。
宇奈月駅から1時間17分。終点の欅平駅に到着。景色や写真を撮っていると1時間17分はあっという間でした。
ちなみに宇奈月駅では224mだった標高も、欅平駅へ来る頃には599mになっています。
欅平駅
さて、降車後まず向かったのは普通客車(窓なし客車)。
案の定・・・というより、思った通り客車の中まで雨水が入ってきており、更に座席まで濡れていました。
雨が降らない日は普通客車の方が楽しそうですが、雨が降ってる・降りそうな時はリラックス客車にした方が無難そうです。
乗車してきたトロッコは、乗客降車後に引上げ線の方へ。
いつも見ている列車より小さいので、かわいく見えてしまう不思議。
欅平駅のホームは長いので、出発時間の数分前には乗車しておくのが賢明。
欅平駅。黒部峡谷鉄道に乗って観光客が来ることのできる最果ての地。
実際には欅平より先もルートは続いており、欅平~黒部ダムを行き来することができます。現在は工事関係者の人しか通ることができませんが、2024年度を目途に一般観光客向けに開放されるとのこと。
欅平駅前から渓谷。自然豊かで空気がうまい。
欅平には1時間ほど滞在。駅前の散策道を歩き、いろいろありましたが、それはまたの機会に。
それでは、今回はここまで!
続き:欅平駅周辺を散策
復路:欅平 ⇒ 鐘釣 ⇒ 宇奈月
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乗車日:2022年6月27日