JR西日本より公開されているアプリ・せとうち観光ナビ「setowa」を利用して広島県を旅行・1日目。
setowaで購入できる商品に「広島ワイドパス」というのがあり、広島エリアで指定の鉄道・船・バスが乗り放題になるもの。鉄道はJR西日本の広島県内が乗り放題になります。
「広島ワイドパス」は3日間有効。せっかくなら遠くの駅に行ってみようということで、芸備線の備後落合駅へ。今回は、薄明るい備後落合駅を訪れた時の記録。
目次
キハ120系で備後落合駅へ
福塩線経由で三次駅に到着。三次駅は4年ぶりにやってきました。
三次駅からは17時30分発の普通・備後落合行きに乗車。
JR西日本のローカル線で活躍しているキハ120形に乗車。
普通 三次(17:30発)⇒備後落合(18:46着)
夕方の芸備線は高校生の帰宅ラッシュ。1両の車内は高校生でいっぱいでした。
途中駅で乗降を繰り返していましたが、終点の備後落合駅まで乗車したのは私含め3人。
備後落合周辺から三次市内に通学しているのは、すごいなと感心しました。
三次駅を出発して1時間15分。
速度を目一杯落としてから、終点の備後落合駅に到着。備後落合駅周辺の天気は曇りだったので、写真の上部分は真っ白になっています。
かつてはターミナル駅だった備後落合駅
備後落合駅の2番乗り場に到着。2番乗り場のホームは長いですが、車両は1両なのでポツリとした状態。
備後落合駅の駅名標。芸備線はこの先も続き伯備線と合流する備中神代駅まで続きます。
備後落合駅は2路線が乗り入れており、芸備線の次の駅は比婆山(三次方面)・道後山(新見方面)。もう一つは木次線が乗り入れており、次の駅は油木駅。
ホーム
芸備線は新見方面も続きます。芸備線は中国山地の真ん中を通るので、引き続き山の中を走行していきます。
備後落合駅の西側。こちらは芸備線と木次線の分岐。
1・2番乗り場が木次線。2・3番線が芸備線へ乗り入れ可能となっています。現在の定期列車は、1番線が木次線。2番線が芸備線(三次方面)。3番線が新見方面(一部三次方面)となっています。
備後落合駅には、かつて長い編成の列車が来ていたということもあり、現在もホームは長めにあります。ただし、現在の定期列車は1両のみ。9割方は持て余しています。
1番乗り場の前には、「ようこそ、備後落合へ」と書かれた記念撮影用のボードが設置されていました。
日付は更新可能な方式。誰かが毎日更新していると思うので「すごいな」と思います(訪れた日は6月15日ですが。。。)
過去の遺構
備後落合駅の3番乗り場の横には、広いスペースと側線があります。
SLが全盛期だった時代は、頻繁に使用されいた線路ですが、現在使用されている形跡はありません。
側線の横には白色の建物があります。こちらは現在も使用されているようで、カメラのズーム機能を使って出入口にある表札を見た所、「保線」と書かれてありました。
白い建物から視線を右に逸らすと、短いプラットフォームの形をした場所があります。
現在は明らかに使われておらず、自然に還りかけています。SL全盛期に給炭台として使用されていたそうです。
拾い物:広島県立文書館展示
さらに奥の方へ目を向けると転車台があります。SLが来ていた頃は何度も使用されていたのでしょうが、現在はただ置いてあるだけ。
転車台の横には留置線が2本。昔は車庫だったようですが、現在は使用されておらず、荒れ放題。
また、3番線の信号機は現在も現役ですが、その隣の信号機はそっぽ向いています。
駅舎
一旦、駅舎外へ。
「備後落合駅」と書かれた駅名標が駅舎にありますが、扉上ではなく横を向いて設置されています。駅と国道を結ぶ道が駅名標が向いている方向だけなので、このような設置の仕方をしていると思われます。
駅名標が横に設置されているので、扉上には何も貼られていません。
駅舎内
駅舎内は掲示物が豊富。昔の写真や列車で使用されていたサボなど、ちょっとした資料館と化しています。
蒸気機関車が多く来ていた頃の備後落合駅の写真が沢山飾ってあります。過去の写真を見ていると、全盛期の備後落合駅を見たかったなと思います。
かわいらしい駅名標と今年訪れた留萌本線峠下駅でも見た「マネービルの日興証券」の気温計。ここにもあるんだなーと思っていましたが、それより気になったのが、日興証券の下にある「山口町電停前」。
山口町電停なんてあったかな?と思い調べてみましたが、現在はありませんでした。
恐らくですが、広島電鉄・銀山町電停が1965年まで「山口町停留場」だったらしいので、その時の電停名が気温計に書いてある。。。と勝手に思っています。
留萌本線峠下駅の駅探訪はこちら
「JR」の存在感がすごい!1910年に開業の留萌本線・峠下駅に下車してみた
2022年6月時点の備後落合駅の時刻表。ご存じの方も多いと思いますが、木次線と芸備線・新見方面の定期列車は1日3本。
備後落合駅に到着する列車と各方面への接続はほとんど考慮されていないダイヤ設定です。唯一、14時台は3方向の列車が全て集まり、全ての方向に接続できるというダイヤになっています。その為、青春18きっぷシーズンになると、いつも閑静な備後落合駅も少しの時間ですが賑やかになります。
備後落合駅時刻表(JR西日本公式HP)
備後落合駅からの運賃表。
芸備線は各駅までの運賃が表記されているのに対し、木次線は木次駅まで。木次線は宍道駅まで続いていますが、そこまで乗車する人がいないのでしょう。
備後落合駅の周辺
一通り備後落合駅を見てきたので、駅周辺を散策。
駅舎を出て左側へ行くと柵があります。その柵の先には大きな空き地があります。
かつては備後落合駅に数多くの鉄道職員が勤務しており、その鉄道職員が寝泊まりするための官舎があった場所。
今はただの空き地ですが、思っているより綺麗に整備されていました。
駅から国道へ続く道を歩くと、先ほど乗ってきたキハ120形と駅のホームを横から見れます。
ちなみに運転士の方がいないと思っていたら、車両点検中でした。
国道から備後落合駅へ行く道の出入口付近には、小鳥原(ひととばら)川が流れています。雨も降っていなかったので、穏やかな川でした。
小鳥原川を渡ったところで、バス停を発見。西城交通と書かれていますが、時刻表は・・・一応3本、いや4本あるみたい。
調べてみると、平日限定ですが備後西城駅方面に1日4本、バスの運転があるようです。Webだと平成30年(2018年)の時刻表しかありませんでしたが、今もその時刻で運行されているようです。
駅前の国道は183号線と314号線。備後落合駅の近くで分岐しており、国道183号線は根雨・米子方面。国道314号線を進むと東城・福山方面へ行けるようです。
国道を新見方面にほんの少し進んだ所に、他の住居と違う建物を発見。建物の前に郵便ポストと駐車スペースがあるので、何だろうと思っていました。
扉に張り紙があったので見てみると、文章に備後落合簡易郵便局の文字。なんと郵便局だった建物。
ただし、張り紙にもあるように、2019年12月30日をもって「一時閉鎖」してます。一時閉鎖と言いながら、永久的な閉鎖なのでしょう・・・
郵便局前から備後落合駅方面。
駅から国道へ出て、左の方へ進むとこの辺りで有名な「ドライブイン おちあい」にたどり着けます。
「ドライブイン おちあい」では、かつて備後落合駅のホームで販売されていたおでんうどんが食べられるとのこと。
期間限定メニューらしいので、狙って行ってみたいです。ちなみに駅から徒歩10分ぐらいなので、徒歩圏内です。
寂しくなったターミナル駅を後に
そろそろ三次行きの出発時間なので、再び2番乗り場へ。
乗客は自分以外、誰もいません。
2・3番線のホーム上にある待合室は、かつて売店があった場所。売店があった時代は、ここで「おでんうどん」が販売されていた。
売店の名残は一切ありませんが、昔の写真を見ると確かに売店がありました。
周囲が静寂の中、キハ120形のディーゼル音が鳴り響く備後落合駅。栄えていた時代が戻ってくることは、もう無いでしょう。
普通 備後落合(19:18発)⇒三次(20:38着)
乗車した列車は三次方面の最終列車。定時に備後落合駅を出発。
備後落合を出発後、いきなり制限25kmの速度制限があるので、ゆっくりと走行。列車の一番後ろでホームや遺構を見ながら、備後落合駅とお別れ。
自分だけが乗車した列車が備後落合駅を出発。このまま三次駅まで行くのかなと思っていたのですが、備後西城駅から高校生が数人乗車。備後庄原駅でも乗車があり、少し賑やかな状態で三次へ向かいました。
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