瀬戸内しまなみ海道は、広島県尾道市~愛媛県今治市を結ぶ道路として有名。自動車専用道路と一緒にサイクリングロードとしても整備され、自転車での通行が可能ということで、この辺りをサイクリングする方も多くいます。
前からやってみたかったしまなみ海道のサイクリング。最初、全長約70kmに及ぶサイクリングロードを全通してみようかなと思いましたが、いきなりやるのは酷かと思い、生口島⇒尾道の間でサイクリングすることにしました。
今回は、生口島⇒(しまなみ海道)⇒尾道⇒尾道市内の順にサイクリングした時の記録。
目次
まずは尾道へ
しまなみ海道でサイクリングするにあたり、前日までに色々と調査。
尾道駅前にしまなみ海道に特化しているレンタサイクルのターミナルがあるということが分かり、とりあえず尾道駅へ行ってみることに。
サイクリング当日。曇り空の中、山陽本線の尾道駅に到着。
宿泊場所が広島市内だったので、広島駅から山陽本線の普通列車に乗車。1時間30分掛かりました。
尾道港のターミナルで自転車を選択(写真なし)
尾道駅を出て右にしばらく進むと尾道港(駅前港湾駐車場)があります。駐車場ですが、その一角に自転車がズラッと並んでいました(写真を取り損ねる痛恨のミス・・・)
受付で手続きを済ませ、自転車とヘルメットを選びました。自転車は豊富にあったのでどれにするか迷いましたが、試乗をして自分に合う自転車を選ぶことができました。
瀬戸内クルージングの船で生口島までループ
この日のサイクリングは、
生口島⇒因島⇒向島⇒尾道
と島を3つ、橋を2つ渡るルート。
当初は尾道⇒生口島で考えていました。しかし、船の便数が少ない上、出発時間に間に合わないとこの後の予定が狂うので、最初に生口島へ行くルートにしました。
瀬戸内クルージング(尾道⇒生口島・瀬戸田)の時刻表&運賃
尾道⇒生口島(瀬戸田)へ行く船の時刻表。
2022年6月時点では、1日6便。2~3時間に1本なので、乗り遅れると大変です。
尾道⇒瀬戸田の各港までの運賃表。自転車や原付を一緒に持ち込むことができ、運賃とは別に車両料金を支払うことで船に積載可能。
ちなみに、瀬戸内クルージングは船内で運賃の精算を行う方式でした。
参考:JR西日本「setowa」での乗船方法
今回の旅行では、JR西日本のせとうち観光ナビ「setowa」を使用。setowaのアプリ内で周遊パス「広島ワイドパス(3日間)」を購入していました。
瀬戸内クルージングは船内で運賃の精算・確認が行われるので、乗船後にアプリを開き、購入した周遊パスを船内で提示。自転車も載せたので、船内で500円を追加で支払いました。
「setowa 船 自転車積載」と検索しても、何故か乗船方法や利用方法が検索されなかったので、記録しておきます。
せとうち観光ナビ「setowa」(JR西日本公式ページ)
尾道⇒生口島(瀬戸田港)
尾道を出航した瀬戸田行きの船。今回は、9時15分発の船に乗船。
船の写真は後ほど登場しますが、船は小型船。それでも甲板に自転車と原付が載せられるよう、スペースがあります。
この日の朝は曇っていて、瀬戸内海も若干霞んでいて遠くの方が見え辛かったです。また、山の上も霞んでいました。
また、瀬戸内海は穏やかな海ですが、貨物線といった大型船が多く通過します。小型船はちょっとした波でも揺れるので、大型船が通過した後の波が押し寄せると、バウンドするように揺れます。
生口島が見えると、瀬戸田港までもう少し。
というところで、造船所の近くを通る船。造船所を海の上から見るのは面白いなーと思っていると、「ジャンボフェリー」と書かれた船を発見。
なんとなく写真を撮っていましたが、写真のジャンボフェリーは2022年10月より就航する「あおい」だったようです。ジャンボフェリーとしては、32年ぶりの新造フェリーとのこと。貴重な新しいフェリーの製造様子を見ることができました。
まもなく瀬戸田港に到着というところで、黄色に染められた橋の下を通過。
オレンジ色の橋は高根大橋(こうねおおはし)で生口島と高根島を結ぶ橋。橋全体がオレンジ色なので、遠くからでも目立っていました。
尾道から約40分。10時少し過ぎたところで、船は生口島・瀬戸田港に到着。
小型船ですが、波があまり無い瀬戸内海で揺れることは少ないです。むしろ、先述した大型船通過後の方が波が揺れます。
「ようこそ瀬戸田へ」
生口島(瀬戸田)に上陸し、自転車の旅スタート!
しまなみ海道サイクリング
それでは瀬戸田港からサイクリング開始。
当初の予定では、生口島を左回り。最短ルートで生口橋へ行く予定でした。しかし、瀬戸田港から南へ3kmほど行った所に瀬戸田サンセットビーチがあることが分かり、準備運動がてらいいかなと思い、サンセットビーチへ行くことに。
サンセットビーチとレンタルした自転車
瀬戸田港から10分ほどで瀬戸田サンセットビーチに到着。夏の海水浴シーズンでは無いので、人は疎ら。
少し自転車を漕いだだけで体が熱くなったので、海に飛び込みたい衝動はありました(笑)
さて、ここで一旦休憩(早い)。
尾道港の所で自転車は色々選べると先述しましたが、今回レンタルしたのはブリヂストン(青)、3×7ギアのマウンテンバイク。
同じスポーツタイプの電動アシスト式だと更に進みやすいと思いますが、その分料金が3倍。。。
費用を少し抑える為に、マウンテンバイクを選択しました。
瀬戸田サンセットビーチ⇒多々羅大橋⇒生口橋
瀬戸田サンセットビーチから先は、瀬戸田港へ戻るルートとそのまま進み多々羅大橋を経由する2パターンがありました。グーグルマップで検索してみると、瀬戸田港を通るルートが3kmほど短いものの、自転車なら3kmはあっという間。せっかくなので、生口島を右回りで進んでみることに。
サンセットビーチからしばらく進むと多々羅大橋が見えてきました。
今回は通りませんでしたが、多々羅大橋は生口島と大三島を結ぶ橋。生口島は広島県ですが、多々羅大橋を渡りきると愛媛県に入ります。
多々羅大橋の手前にはレモン畑があり、グーグルマップにも「レモン畑」として表示されていました。
実のなる季節ではない為、グリーン色しか見えなかったですが、10月~12月になるとレモン(黄色)で埋め尽くされるそうです。
瀬戸田港から約25分。多々羅大橋に到着!
今回は、尾道に行くルートなのでスルーしましたが、いつか通りたいと思います。
また、この辺りで海を覗いてみましたがとても綺麗。海の下の方まで見えました。
島の道路はサイクリングを行う人が進みやすいように、水ラインと尾道・今治までの距離を示したサインがあります。
水色ラインを沿うように走れば、少なくとも尾道・今治に最短ルートで行くことができます。寄り道をする場合は、ご自身で目的地をご確認の上、走ってください、という感じです。
まあ、島はそこまで大きくないので、道に迷っても走っていればどこかで大きい道に出ると思いますが。。。(笑)
生口島の東側を進み、因島が見える所までやってきました。
多少のアップダウンはあったものの、そこまで大変な坂道も無く順調に進むことができました。むしろ、写真を撮り過ぎたせいで時間が掛かっていましたが・・・
瀬戸田港を出発して約55分。生口島の北側にある生口橋の下までやってきました。
生口島の入口案内(白・緑色の標識)はありますが、あくまで自動車専用の入口。2輪車や歩行者の入口は別にあるので、そこまでもう少し進みます。
自動車専用の出入口を過ぎ、2輪車・歩行者用の出入口まで進むぞ・・・
「あれ?入口がない」
グーグルマップで検索すると、通り過ぎていました・・・。
生口橋の近くにセブンイレブン生口島北インター店があるのですが、そのセブンイレブンの横に生口橋(原付・自転車・歩行者用)への入口がありました。
普通は気付くはずですが、なぜかスルー・・・
10分ほどロスしました。
生口橋(生口島⇒因島)
2輪車・歩行者用の道路でも「有料道路」と書かれた看板と料金表。歩行者と自転車は無料ですが、原付・歩行者は50円掛かります。
生口橋の入口から生口橋までは0.9km。緩やかな坂が続きます。
坂の途中で原付(右・有料)と自転車・歩行者(左・無料)の道に分かれます。
生口橋まで登ると料金所があります。自動車専用道みたいにバーは無く、料金箱1つがポツンと置いてあります。
2022年6月現在、自転車は2024年3月31日まで無料。いっそうのこと、ずっと自転車を無料にしてくれると有難いのですが(^^)
生口橋を渡ります。普段、海に掛かる橋を走る機会が無いので、楽しんで走りました。
いい感じに海風を浴びながら、約4分ほどで因島に到着。
因島に到着。生口橋⇒下道へ行く際は先ほどの逆で、下り坂。その下り坂の途中には公園みたいなところがあり、展望できる場所がありました。
しまなみ海道サイクリングロードのマップ。
生口島~尾道はマップの右側。全体の2分の1といったところでしょうか。生口島~尾道を走行する場合は橋を2度渡りますが、最初に渡る橋が生口橋になります。
因島(生口橋⇒因島大橋)
因島に渡ってからは野暮用があり、コンビニ(ローソン)へ立ち寄り。時間が思ってたより経過したので、少し急いで走行。
瀬戸田港から約1時間50分。ローソン因島重井店の前に到着。
ここで次に渡る因島大橋の分岐。自動車専用と原付・自転車・歩行者用の道に分かれます
生口橋~ローソン因島重井店までは、最初は平坦だったものの途中から約1km程の坂道。それから1kmほど下るという行程。坂道は少しきつかったですが、登り切ったあとに長い下り坂。下っている時は爽快でした。
因島大橋に向かって再び走りだすと、右側に他の違う形をした山があるのに気づきました。
このブログを書いている時に調べましたが、「白滝山」という山で標高は227m。因島の観光地の一つにもなっているようです。さすがに時間が無いので行きませんでしたが、観光地をまた一つ覚えたということで。
因島の北まで進むと再び瀬戸内海。海は綺麗で砂浜まで見えるほど透明でした。
因島にも造船所があり、こちらでは貨物船が造られている最中でした。
まもなく因島大橋
というところで、恐竜の像を発見。
因島アメニティ公園に設置されており、「ザウル」君という名前も付いていました。
思っているよりも高く、真下から見る時は見上げるように見ていました。
恐竜のザウル君を見た後は、いよいよ因島大橋へ。その因島大橋に続く坂はキツイ・・・。
勾配が結構きつく、漕いでも漕いでも前へ中々進みませんでした。
因島大橋(因島⇒向島)
瀬戸田港から約2時間10分。因島と向島を結ぶ因島大橋の入口に到着。
因島大橋に続く上り坂もきつかったのですが、そこから更に追加メニュー。もとい、坂道が続きます。
因島大橋へ続く坂道は緩やかであるものの、坂が連続しているということもあり、足にきます。
結局、恐竜のザウル君の辺りから1.5kmほど登ったところで、因島大橋の料金所に到着。
ヒルクライムの体験版をやっているような気分でした(笑)
因島大橋にも料金所はありますが、こちらも生口島と同じ原付は50円。自転車&歩行者は無料。高速道路にあるようなバーはありませんが、監視カメラは設置されています。
因島大橋は生口橋と違い、原付と自転車&歩行者が同じ道を進むことになります。原付&自転車は黒く舗装された道路。歩行者は緑色に塗装された道路を進むことになります。
橋の上で写真を撮る時は、歩行者道路に自転車を止めて撮影。
歩行者側に自転車を止める理由としては、原付が遠慮なく通過していくから。邪魔になるので、停車中は歩行者道路に少しだけお邪魔しました。
橋の上から見る瀬戸内海も景色が良いです。若干霞んでいた所があったものの、ある程度は見えていたので問題ありません。
写真撮影後は、橋を全力で走行。因島大橋は約6分で渡り切りました。
因島大橋を渡り切り、向島に到着したところで橋を一望。
因島大橋は一番上を高速道路、下が2輪車・歩行者が通れる道路になっています。因島大橋を自転車で走行していると、鉄道好きとしては高松と岡山を結ぶマリンライナーを思い出しました。マリンライナーは瀬戸大橋を通りますが、瀬戸大橋も上に自動車専用道、下に鉄道が通っています。
向島(因島大橋⇒渡船場)
因島大橋から向島を一周する県道377号線に下ってすぐ、砂浜が広がる場所に到着。
グーグルマップで確認すると「つりが浜」という場所だったようで、名前にもなっているように釣りを楽しめる場所らしい。この日、釣りを行っている人はあまり見かけなかったが、魚がいっぱい取れる所なのでしょう。
因島大橋から先、県道377号線は島を左回りするように進行。海の近くを通るので、瀬戸内海の潮風が心地よかったです。
砂浜近くの海は綺麗で、下の方も結構透けて見えていました。生口島の時も綺麗だったので、瀬戸内海全体の海が綺麗なのでしょう。
しばらく進むと因島大橋から見えていた赤い橋「向島大橋」に到着。橋自体は短いですが、橋全体が赤く染められているので、とても目立ちます。
向島大橋を潜るとカーブがクネクネ。
ここから先は向島の渡船乗り場までノンストップで進みました。
向島⇒尾道(渡船)
瀬戸田港を出発してから3時間。因島の尾道駅前行き渡船のりばに到着しました!
しまなみ海道のサイクリングコースでは、尾道⇔向島は渡船で渡ることになっています。尾道⇔向島にも尾道大橋というのがあるものの、因島大橋や生口橋みたいに自動車とそれ以外に分かれているというわけでなく、一緒になっています。上級者の方以外は危険な為、尾道⇔向島は渡船で渡ることになります。
向島の渡船のりばに到着するとタイミングよく船に乗船。
乗船後、係員の方が運賃の回収に来られます。何も分からずに乗船しましたが、人(100円)+自転車(10円)=110円でした。
船はゆっくりと向島⇒尾道を進みます。ゆっくり走行ですが、お陰で海の上からまったりと尾道の町並みを眺められました。
向島の渡船乗り場から数分後、尾道駅前に到着。尾道へ戻ってきました!
尾道駅前を出発し再び尾道に戻ってくるまで、トータル4時間ほど掛かりました。
結構疲れましたが、ゴールした時は「やったぜ」という感じでした(笑)
尾道港へ戻ってきてこれで終わり。
というわけでなく、今度は千光寺へ向かいました。
千光寺山から尾道市内を一望
尾道上陸後に向かった先は千光寺山。尾道市内を一望できると思い、山に登ってみることにしました。
千光寺山は徒歩で登っていましたが、その途中でサイクリングロードに含まれていない新尾道大橋と尾道大橋が見えました。
千光寺山は標高140mぐらいなのですが、約40kmの自転車走行後&荷物が地味に重い。また、晴天過ぎて気温が上昇したので登るのが大変でした。。。
その代わり、登れば登るほど尾道市内と向島を一望できたので、それは良かったです。
山陽本線を走行する貨物列車。
この辺りの線路はカーブが続くので写真スポットになりやすそうですが、旅客列車は3両編成といった短い車両ばかり。長い編成を見るなら貨物列車ということになります。
千光寺山の麓から歩いて25分。千光寺の展望台に到着!
尾道や向島の町並み、瀬戸内海といった海を眺められたので登った甲斐がありました。
千光寺山からの景色を楽しんだあとは、急いで下山。下山は千光寺山ロープウェイを利用。
下山後はスタート地である尾道前の駐車場へ戻り、自転車を返却。返却時に保証金1,000円が戻ってきました。
という感じで、しまなみ海道のサイクリングは終わり。
しまなみ海道⇒尾道市内をサイクリングで疲れた。あとは宿泊場所へ・・・
という甘い考えはしません。
この後は再び列車に乗車し、三原経由で呉線・忠海駅へ。うさぎで有名な大久野島へ向いました。
【広島・大久野島】「うさぎ」と「軍事遺跡」が数多く残る島を歩いて一周!
しまなみ海道サイクリングの料金・自転車の種類
しまなみ海道でサイクリングするに辺り自転車を借りましたが、レンタルする自転車によって料金が異なります。
自転車の種類 | 料金 | 保証料 |
---|---|---|
クロスバイク、シティ自転車、軽快車 | 1日につき2,000円 | 1,000円 |
タンデム自転車(複数人用) | 1日につき3,000円 | 1,000円 |
電動アシスト自転車 | 1日につき2,500円 | 1,000円 |
E-bike(スポーツタイプの電動アシスト) | 1日につき7,000円 | 5,000円 |
今回レンタルしたクロスバイクだと、受付時に料金2,000円と保証料1,000円の合計3,000円を支払います。
保証料は自転車をレンタルしたターミナルに返却すると戻ってきますが、別のターミナルで自転車を返却すると保証料は返却されません。
例えば尾道⇒今治までサイクリングし、今治のターミナルで返却すると保証料は返却されません。
今回は尾道のターミナルで自転車をレンタル ⇒ 尾道のターミナルで自転車返却を行ったので、保証料は戻ってきました。
おまけ:「しまなみサイクリングロード」について
広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ通称・瀬戸内しまなみ海道(以下、しまなみ海道)。全長約60kmにも及ぶしまなみ海道は、西瀬戸自動車道、生口島道路、大島道路と3つの道路が連続に繋がっています。
しまなみ海道は自動車専用道ですが、島と島を結ぶ橋の部分では、バイクや自転車といった2輪車。歩行者が通れるようになっています。自転車で尾道⇔今治の行き来可能ということもあり、瀬戸内海の島々も自転車が通りやすいように整備。しまなみ海道サイクリングロードとしてルート化されました。
それでは、今回はここまで('ω')ノ
サイクリングの後:ウサギが待っている!
サイクリング日:2022年6月16日