4月に北海道(1週間)と1泊2日で東北を巡りましたが、その旅行の計画段階から北海道⇒東北へ行くルートで、安く行ける良い方法はないか色々探していました。
いつも通りGoogle検索で探していると、新日本海フェリーの苫小牧~秋田~新潟航路を発見。運航スケジュールを確認し、苫小牧発は月~土運航。日曜日以外は運行するということで、曜日はクリア。しかも、苫小牧発の便に関しては夜間運航。つまり、ホテル代わりに利用することが可能ということが判明!これは乗りに行くしかない!!
ということで、実際に新日本海フェリーの苫小牧⇒秋田航路(フェリーらいらっく)に乗船してきたので、フェリーらいらっくの乗船記&苫小牧東港の最寄駅・浜厚真駅から秋田駅までの様子を書いていきます。
目次
日高本線・浜厚真駅から苫小牧東港フェリーターミナルへ
この日はJR北海道の日高本線を全線乗車目的で鵡川駅まで行ったのち、折り返しの普通列車に乗車。鵡川駅から2駅目にある浜厚真駅で下車。
浜厚真駅は苫小牧駅からも2駅目にあるということで、現在の日高本線の中間地点に存在します。
浜厚真駅の駅舎は貨車を改造して造られています。JR北海道の地方路線の駅では、よく見る光景です。
駅舎として利用されてから修繕されていないのか、貨車駅舎の中は少しずつですが塗装が剥がれてきてます。
その貨車駅舎の一角に「フェリーのりばのご案内」があります。やはり苫小牧東港へのアクセスとして、浜厚真駅は利用されているのでしょう。実際にこの日も、浜厚真駅から苫小牧東港へ歩いて行かれる方が私以外にもう一人いました。
浜厚真駅からは苫小牧東港に停泊中の新日本海フェリーの煙突が見えます。煙突は見えていますが、浜厚真駅~苫小牧東港間は約1.6km。2km弱あり、歩いて20分程掛かります。
それでは浜厚真駅から苫小牧東港まで歩きます。
浜厚真駅前の道路を右手に進み、しばらく真っすぐ進むとT字交差点があります。鉄塔が目の前にあるので、目印になると思います。そのT字交差点を左に進みます。
左手に進むと橋を渡りますが、その端からはフェリー全体が見えるようになります。この時点でフェリーの名前は分かりませんでしたが、「らいらっく」です。
橋を渡り、更に進むと再びT字交差点に突き当たります。
この交差点手前には道路標識で、「東港フェリーターミナル」が示されているので指示通り、交差点を左に曲がります。
上記の交差点を左に進むと、新日本海フェリーの乗船乗り場の案内があります。
日高本線浜厚真駅から歩いて20分弱で、新日本海フェリーの苫小牧東港フェリーターミナルに到着!
ターミナル手前でフェリー全体が見える場所があったので、この日乗船するフェリーを確認。この日はらいらっくでしたが、苫小牧~秋田~新潟航路にはもう一つ・ゆうかりというフェリーがあり、基本的はらいらっくもしくはゆうかりに乗船することになります。
苫小牧東港フェリーターミナル
こちらは、苫小牧東港のフェリーターミナル。新日本海フェリー専用ターミナルで、苫小牧東港からは今回乗車する苫小牧~秋田~新潟航路以外にも敦賀行きあります。
ターミナル内に入ると、すぐ左手に受付があります。
1階フロアに関しては、受付とお手洗いのみで他の設備はありません。
受付後ろには、フェリーの運航スケジュールと乗船開始日時がディスプレイに表示されていました。
乗船開始時刻は大型フェリーにしては意外と遅く、出発時刻の30分前でした。
ターミナルの2階には売店とレストラン、徒歩乗船客の待合スペースがあります。
待合スペースには苫小牧東港~敦賀航路に就航しているすずらんの模型がありました。
すずらんの模型を見た後、ふと視線を右に向けると何やら見覚えのある航路と船のポスター。
自分が2021年10月に乗船した東京九州フェリー。そして、破天荒な波に心折れそうな経験をした航路(笑)
そちらについては別途ブログに纏めてます。下記と最後の方にリンクを貼ってますので、よろしければご覧ください。
東京九州フェリーそれいゆに乗船してみた【2021年7月就航】
2階の待合室前には秋田経由新潟行きの乗船開始時刻の案内。
乗船開始時刻になり、3階へエスカレーターで上がり乗船口へ。
この日は平日ということもあり徒歩で乗船する人は少なく、すぐに船内へ向かうことができました。
らいらっくの船内
船内中央
らいらっくの船内に入ってきました。
船内は思っているよりシンプルで、春の季節ということもあり桜の飾りが船内中央にしてありました。
新日本海フェリーは以前乗船した東京九州フェリーと同じSHKグループに属しており、東京九州フェリーの船内イメージがあったので、船内のシンプルさに少し拍子抜けしました。むしろ、東京九州フェリーのはまゆうとそれいゆの船内がよく造りこまれているということでしょうか。
ツーリストA(客室)
らいらっくのツーリストAは乗船口と同じ3階フロアにあります。
ツーリストAは長距離フェリーによくある客室で個室タイプの2段ベッドになっています。
ツーリストAのベッド。
ベッドの足元に掛布団。ある程度の寒さは凌げます。それでも寒がりの方は別途防寒グッズを用意した方が良いでしょう。
ツーリストAのベッドにあるランプ。ランプは各個室に1つあります。
また、ランプ横にはコンセントがあり、スマホやカメラの充電を行うことができます。
枕横にあるスペース。2Lのペットボトルでも余裕で入るスペースです。
スマホや小物を置くのに便利。
らいらっく・各フロアの案内
船内中央・階段横に船内フロアの案内図。
どこに行けば分からない場合は、案内図を参照されると良いかと思います。
自動販売機(3F)
3階には自動販売機が設置されています。
自動販売機の種類は多く、ジュース・お茶といったノンアルコール飲料からアルコールの自動販売機まで幅広く取り扱っています。
食べ物系の自動販売機も設置されており、アイスクリームの自動販売機で有名なセブンティーンアイスと日清のカップ麺が購入可能。船内に設置されている自動販売機は地上の値段とほぼ変わらない値段で販売されており、良心的です。
コインロッカー(3F)
コインロッカーは3階フロアの階段付近に設置されており、1つにつき100円です。見た所、サイズは大中小といった感じで分かれていませんでした。
コインランドリー(3F)
3階のお手洗い・洗面室の中にコインランドリーが設置されている。
洗濯機は洗剤なしで200円。別途販売している洗剤が50円。乾燥機が30分100円でした。
大浴場(4F)
続いて4階。
4階フロアには大浴場があり、シャワーや湯船に浸かることが可能。また、簡易サウナが設置されており、船内にいながら疲れを取ることが可能です。また、タオルの貸出を行っているので、タオルの持ち込みが無くても利用可能です(タオルは100~200円)。
売店・カフェスペース(4F)
大浴場の先には売店があります。売店の営業時間は限られていますが、名産品やお土産の購入が可能。
お土産が急に必要になった場合でも慌てる必要がありません。
売店の目の前には休憩スペースみたいなところがあります。
このスペース横にはカフェの販売所があり、時間限定で販売しているカフェをゆっくり飲食できるスペースになっています。
ゲームコーナー(4F)
カフェスペースを通り過ぎると、ゲームコーナーがあります。
ゲームコーナーは2カ所に分かれており、ホッケーができるスペースとメダルゲームのスペースに分かれていました。
レストラン(4F)
ゲームコーナーの先、4階・船内後方にレストランがあります。
今回、レストランを利用することは無かったですが、次に乗船する時は利用したいです。
苫小牧~秋田~新潟航路は、朝昼夜すべての時間帯に運航しているということもあり、モーニング・ランチ・ディナーと時間帯によってメニューが用意されています。
各サービスの案内(4F)
船内の客室や船内の掲示板にサービス時間の案内と貸出品の案内。
苫小牧東港⇒秋田
フェリーは時間通りに苫小牧東港を出港・・・という訳ではなく、乗り込みに時間が掛かり数分遅れで苫小牧東港を出港。まあ、航行しているうちに遅れの時間は無くなるので、数分の遅れなど誤差の範囲です。
苫小牧東港~秋田航路のマップ。
苫小牧を出港した後は津軽海峡へ一直線。津軽海峡を通過後、青森の左側を沿うように航行し、秋田へ向かいました。
苫小牧~秋田~新潟航路の各ポイントの通過時間。
夜の時間はどうしようもないですが、日中の時間帯に天気が良い時は各有名ポイントが船上から見えるはずです。
苫小牧東港発に関しては、夜の時間で外を見ても何も見えません。なので船内で風呂に入ったり作業等を行い、ベッドで就寝しました。
寝ている時は多少揺れているなーという感覚はありましたが、それほど気にする程でもありませんでした。
翌朝、苫小牧東港を出港したらいらっくは、定刻通りに秋田県の男鹿半島付近を航行中でした。
ただし、外はあいにくの空模様。雨も小雨ながら降っていました。
小雨&霧の影響で外の景色は真っ白。本来であれば男鹿半島が見えるはずでしたが、見えたのは真っ白な景色と海でした(´・ω・`)
外の景色を楽しむことも無く、そのまま秋田港へ入港。秋田には定時で到着しました。
秋田港フェリーターミナルからは秋田駅行きの路線バスが出ています。
新日本海フェリーの連絡バスではなく路線バスということもあり、フェリーターミナルでしばらく待つ必要があります。
フェリーターミナル内で待っていてもしょうがないので、小雨の中、外に出て少し散策。
ターミナル前には秋田県観光案内のマップがあり、それを少しの間ですが眺めていました。
新日本海フェリーの秋田港フェリーターミナルとらいらっく。
秋田港フェリーターミナルも苫小牧東港と同じく、シンプルな作りで3階建てでした。
秋田港フェリーターミナルのすぐ近くにはポートタワーセリオンがあります。しかし、小雨の影響で半分より上が全く見えませんでした。。。
そんな中、フェリー乗船中から気になっていたものを近くで見てみることに。
フェリーターミナルのすぐ目の前にJR貨物の秋田港駅とクルーズ(観光客)用の秋田港駅がありました。
クルーズ船が寄港した際に旅客扱いを行う駅ですが、某ウイルスの影響によりここ2年間はまともに利用された実績が無いようです。
せっかく目の前に新日本海フェリーが発着しているので、営業列車をフェリー運航日に走らせてくれないかな~とこの時妄想したり。
秋田港フェリーターミナル⇒秋田駅の路線バス
秋田駅行きの路線バスはフェリーターミナルのすぐ目の前から発着しています。ただし、1日2本しか運行が無い為、時間が合わない場合は別途手段を考える必要があります。
出発時刻の5分前に秋田中央交通のバスが到着。
秋田のバスは現金のみかな~と思っていたら、なんとバス入口横に「ICカード」のマークが!
調べてみると、2022年3月下旬より秋田中央交通のバスでSuicaやPASMOといった全国相互利用の交通系ICカードが使えるようになったとのこと。Suicaを使用したかったので、大変有難かったです!
そんなこんなで時間を潰し、秋田港フェリーターミナルを出発。
乗船してきたらいらっくを見送り秋田駅へ向かいました。
路線バスということもあり、途中のバス停で乗降がありながら終点の秋田駅へ。
朝の渋滞に少しだけ巻き込まれましたが、秋田駅には30分程で到着しました。
フェリーターミナルへのアクセス
苫小牧東港
苫小牧東港は、苫小牧市の市街地から約24km離れた位置に存在します。
苫小牧にはもう一つ、苫小牧西港という大きな港がありますがそちらではありません。苫小牧東港です!!
私も最初は西港の方だと思っていましたが、よくよく新日本海フェリーのホームページを見てみると東港ということに気付きましたが。間違って苫小牧西港に行ってもそこから行けるのは大洗や仙台、名古屋方面。西港から秋田や北陸方面には行けないので注意しましょう・・・
交通機関を利用して苫小牧東港へアクセスする場合、今回のJR北海道・日高本線の浜厚真駅ルート以外にも連絡バスが運行しています。こちらは新千歳空港近くのJR南千歳駅まで運行しています。
運賃は2022年時点では1,200円ですが、今後変わる可能性があります。
各アクセスの詳細については新日本海フェリーの公式サイトをご覧ください。
秋田港
秋田港から秋田駅に関しては、上記でも書いた通り路線バスが1日2本フェリーターミナル前のバス停より出発しています。
フェリーターミナル発の6時台に関しては、新潟⇒秋田便。8時台に関しては、苫小牧東港⇒秋田便がそれぞれ乗車できます。
また、すぐ近くのポートタワーセリオン発着のバスも存在しており、セリオン発のバスはフェリーターミナルより多いです。セリオンの営業時間が9時からなので待つ必要はあるものの、セリオンで観光して秋田駅へ向かうというのも選択肢の一つだと思います。
秋田港への各アクセスについては、新日本海フェリーのページをご覧ください。
終わりに
今回利用した苫小牧東港~秋田港の航路ですが、苫小牧東港⇒秋田港は夜間。秋田港⇒苫小牧東港は昼間に航行します。その為、秋田から苫小牧東港へのルートは今回の様にホテル代わりに使用し、夜眠れば朝から活動・・・ということはできません。その代わりに天気が良ければ青森・北海道道南地方の景色が楽しめます。
また、秋田~新潟航路についても新潟⇒秋田が夜間。秋田⇒新潟が日中の時間帯に航行しています。
秋田~新潟は陸地経由で移動できますが、たまには船の旅もいかがでしょうか?
それでは、今回はここまで('ω')ノ
新日本海フェリーと同じSHKグループ・東京九州フェリーの乗船記
乗車日:2022年4月12日(火)